ジョニー君

こんばんわ、ヴァンです。

 

 

 

涙なしでは語れない物語(ストーリー)がある


路上で何やらマジックをやっているお兄さんがいた

 

"ピエロの人形を自在に操る"と、言うのだ

 

『じゃあジョニー君、皆に挨拶して』

 

ペコッ


ああっ!ジョニー君が"ペコッ"した!

 

『じゃあジョニー君、ジャンプして』

 

ピョコ


ふぁっ!ジョニー君が"ピョコ"もした!

 

 

 

特にそのお兄さんがイカサマしてる様子はない

 

ジョニー君の上と下に手を通して見せた

 

どうやら吊ってるわけでもなさそう

 

どうやって動いてるかわからない

 

気になる事は1つだけ

 

お兄さんが少し真矢(LUNA SEA)に似ていた事だ

 

ここだけの話と言われたが暴露させてもらうと

 

ジョニー君はNASAで制作されたらしく

 

総制作費は100億ドルを越えるらしい!

 

なので本当は1体5万9800円というネオジオ級の価格設定になってしまったらしい 

 

ただ今回、プロモーションも兼ねていて1体500円で売ってくれると言う

 

このお兄さんの気前の良さにオレの隣で見物していたサラリーマンが勢いよく飛び出した

 

『ジョ、ジョニー君を3つくれっ!!』

 

そのサラリーマンは1500円の代わりに全3カラーあるジョニー君を掴み口笛混じりで去っていった

 

オレも迷わずサイフを手に取り


『オレにもジョニー君を譲って下さい』


そう言い、緑のジョニー君を手にした

 

買い物上手だ


内心ガッツポーズだ!

 

これから毎日ジョニー君と寝たり


語り合ったり


たまに喧嘩したり


折り曲げたりできるんだぁ!

 

取り合えず家に帰りジョニー君の取扱説明書を読んだ

 

 


【WATASHI WA...JOHNNY】

 

 


そう書かれた説明書だった

 

なぜかカタコトで読んでしまった

 

ジョニー君はNASAで開発されたモノとは思えない粗末な作りで


紙とゴムでできている


それと釣糸も入っていた

 

・・・

 

ん?

 

釣糸?

 

確か上も下も手を通したし


吊すわけじゃなさそうなのに


なぜ釣糸?

 

 


説明書をすべて読んだ

 

ジョニー君の背中に釣糸を付ける 


釣糸の端の片方を壁に付け


もう端の片方は指に巻き付ける

 

あとは指の引っ張り加減でジョニー君はお辞儀したりジャンプしたり

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

ああ

 

横から釣り糸で引っ張ってるから上下に糸がないってわけか

 

あのパフォーマンスの時にも端に協力者がいたってわけか

 

そういえばあのサラリーマンもサクラっぽかったしな

 

トリックに引っ掛かってしまったわけだな

 

でも

 

いいんだ

 

NASA製の物が手に入ったんだから