教祖ノムちゃん
こんばんわ、ヴァンです。
熱狂が怖い
小学２年生の頃
２つ上のノムちゃんと悪さばっかりしてた
お互いに大人に叱られる事が好きだったから
イタズラには常に全力だった
オレ『２年生の授業を受けちゃいなよ！』
ノム『さすがにバレるでしょ？』
オレ『ユーなら大丈夫だよ！』
ジャニーさんから受けた影響を隠せぬ口調で提案した
次の日
約束の４時間目
授業が始まると同時に教室の後ろのドアが開く
ノムちゃんの登場
先生が呆気に取られてる間に教室の真ん中辺りまで入って
キョロキョロ
この時点でオレは笑いを我慢してたんだけど
ノム『ってか席がねぇーよ！』
困り果てた顔でそう言ったのがツボで大爆笑
周りも次第に事の面白さを理解したのか笑い出した
ちょっと気を良くしたノムちゃん
ノム『じゃ帰るわー！邪魔したな！』
そう言うと掃除用具入れの中に入った
ドッと沸いた
仲野君以外は先生を含めて笑っていた
このあと勿論の如くノムちゃんは叱られ
仲野君はイジメられたが
この計画は成功だった
しかし
最終的な目標は授業を受ける事
それを小学２年生ながら必死に考えて
オレ『プールの時間なら平気だべ？』
ノム『明らかに身長差があるけど平気？』
オレ『あの先生なら問題ないっぺ！』
神奈川県の田舎(相模原辺り)から受けた影響を隠せぬ口調で提案した
今度はクラス全体の協力があり
ノムちゃんを隠すように高身長を集めプールサイドに並ぶ
お陰で準備運動が始まる前までは他のクラスにも気付かれなかった
周りからクスクスという笑い声が聞こえるのと同時に
仲野『先生！この中に２年生じゃない人がいます！』
チクりの仲野君
典型的な体育教師は大激怒して
ノムちゃんに軽くボディを１発
ボゴォって音と共にプールサイドは静かになった
先生『全員座って待っとけ！』
小学２年生を制圧するには充分な怒鳴り声だった
軍隊のように全員体育座り
腹を抱えて涙を浮かべてるノムちゃんを持ち上げ
ジャッパーン！
プールに投げ込んだ
その瞬間
プチッという音が響いた
体育教師新倉のアキレス腱が切れた音だった
『今がチャンスだー！』
ジャッパーン！
座り込む新倉をプールへ落としたのは
松田っちこと松田君
ワーワー！
溺れ掛けてる新倉を見て歓声が沸く
オレはチクり魔の仲野君を蹴っ飛ばして
周りにいた数人とプールへ投げ込んだ
ジャッパーン！
一方
事態を上手く呑み込んでないノムちゃん
何故か隣で溺れてる新倉と仲野君
そんな中で誰かが言った
この言葉は今でも頭の中に残ってる
『コッロッセー！』
ノムちゃんの目の前で脅える仲野君
新倉はプールサイドに自力で上がろうとしている
次第に高まる声
『コッロッセー！』
『コッロッセー！』
ほぼ全員が立ち上がり拳を振る
『コッロッセー！』
『コッロッセー！』
約80人の小学２年生が瞳孔を開かせ叫ぶその姿は異様
カルト的な自己啓発セミナーみたいだった
この日を境にクラスは１つにまとまり
運動会、球技大会で優勝する
時々思うのがあの時に感じたプールサイドでの異常性
あれは本来誰しもが持ってるんじゃないだろうか
中には「周りにつられただけ」って言う人もいるだろうけど
それが既に異常性高く
実は正常と呼ぶべきなのかも知れない
とにかく
地元でヤ●ザになった仲野君には頭を下げてます
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