開かずの改札
こんばんわ、ヴァンです。
知ってる人は知ってる
知らない人は知らない
所沢駅の
開かずの改札
"開かずの踏切"は聞いた事があるが
まさか開かずの改札が存在するとは思わなかった
オレは気になってた
だって開かないんだよ
その1つだけ
全く開かない
開く気配すらない
開かず故に閉まらない
「つーかお前1回でも開いた事あんの？」って煽りたくなる
とにかく気になった
下から覗き込んだり
上から見下したり
時には擦ってみたり
ふと故郷のお婆を想ったり
3時間は気にしていた
逆にそんなオレが気になったのか
現れました
ステーションガーゴイル
駅員『お客様どう致しました？』
オレ『開かずの改札の様子を伺ってるんだ、邪魔しないでくれ！』
駅員『開かずの改札？』
オレ『そうだよ、この改札は開かないだろ！』
駅員『ええ・・・故障中なので』
オレ『はは！故障だって？笑わせんな！こっちは3時間も開いてないのは知ってんだぜ？』
駅員『はぁ・・・昨日から故障してるので』
オレ『笑止！それならこの改札は開かずの改札じゃなくて』
駅員『はい、故障中の改札です』
オレ『じゃあ、このPASMOを置く部分はなんだよ！』
駅員『おっしゃる通り、PASMOを置く部分です』
オレ『ははーん、そうくるか！じゃあ、この視覚障害者用の点字ブロックはなんだよ！』
駅員『おっしゃる通り、視覚障害者用の点字ブロックです』
オレ『ふーん！じゃあ、ヤンキース史上で1番好きなキャッチャーは！』
駅員『ポサダです』
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
ダメだ
こいつじゃ話にならない
オレ『もういい、とにかく邪魔だけはするな！』
駅員『そう言われても業者さんが来るので退いてもらわないと』
オレ『業者だと？まるで故障中の改札を直すための業者さんが来るような言い方だな！』
駅員『おっしゃる通り、故障中の改札を直すための業者さんが来ます』
オレ『そうきたか、だったらチェキッ娘で人気だった下川みくにの好きな食べ物は！』
駅員『ホルモン、但しミノはゴムっぽいのであまり好きではありません』
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
ふぅー
ふぅー
こいつだけは許さねぇ
例えこの身が滅ぼうが
こいつだけは許しちゃならねぇ
オレ『陸を守るのは！』
駅員『陸上自衛隊です』
オレ『海を守るのは！』
駅員『海上自衛隊です』
オレ『空を守るのは！』
駅員『航空自衛隊です』
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
こいつだけは
的な事が永遠に続くと思われたが
業者『・・・』
既に到着して一部始終を見ていた業者さん
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
オレ『じゃあ、これは！』
駅員『私のオチンチンです』
よし
このタイミングだ
オレ『じゃあ、あれは！』
業者さんのオチンチンを指差して言った
駅員『私のオチンチンです』
オレ『引っ掛かったな！あれは業者さんのオチンチンだ！』
駅員『いえ、業者さんのオチンチンであり、私のオチンチンでもあります』
業者『・・・ポッ(照)』
何故か、悔しい
そっか
この3人の中で誰にも必要とされてない人間はオレだけだからか
オレ『お前らズブズブだな！開けちゃいけない扉だってあるんだよ！バカ、バーカ、バカバカ！』
思いつく限りの悪口を飛ばした
駅員『・・・ジーッ』
業者『・・・ポッ(照)』
2人は見つめ合ったまま動かない
オレは初めて後悔した
ちゃんと高校を出てればもっと酷い悪口を言えたはずだ
尚
この日、改札は直らなかった
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