パラリアン鈴木

こんばんわ、ヴァンです。

 

 

 

ガタンゴトン

 

 

ガタンゴトン

 

 

 

隣の淡いブルーのイルカTを着てるオッサンが話し掛けてきた

 

 

 

鈴木『イルカの秘密を知ってるか?』

 

 

オレ『え、何ですか!いきなり!』

 

 

鈴木『いいから!イルカの秘密を知ってるのか?』

 

 

 

 

 

よい子のみんなはわかってるだろうけど

 

このオッサンは

 

関わっちゃいけないパラサイト

 

つまりパラリアンである

 

 

 

 

 

オレ『ええ、知ってます!』

 

 

鈴木『それなら教えてや・・・え!?知ってんの!?』

 

 

オレ『はい、知ってるから結構です!』

 

 

鈴木『その秘密ってまさか実はイルカがペンギンって説かなー?』

 

 

オレ『・・・うーん、それも知ってます!』

 

 

鈴木『げっ!もしかしてそれ以外も知ってんの?やばいね!熱いね!』

 

 

オレ『はぁー、まぁ知ってますけど』

 

 

鈴木『教えてよ!!お兄さんに教えてよ!!』

 

 

オレ『鈴木さん、お兄さんじゃないでしょ?いくつですか!』

 

 

鈴木『54歳のお兄さんだよ!教えてよ、(ブッ)イルカの秘密!』

 

 

オレ『鈴木さん!今、ちゃっかりオナラしたでしょ!?』

 

 

鈴木『・・・ン?・・・シテナイヨー』

 

 

オレ『凄い臭いんですけど・・・』

 

 

鈴木『イ!ル!カ!の話でしょ!オナラなんてどうでもいいよ!』

 

 

オレ『しつこいです!実にしつこいですね!』

 

 

鈴木『お願いします!イルカの秘密を教えてください!』

 

 

オレ『それならフォーク歌手のイルカの秘密でいいですか?』

 

 

鈴木『・・・なごり雪の?』

 

 

オレ『そう、なごり雪の。どうしますか?』

 

 

鈴木『イルカはイルカだから・・・聞きますが・・・』

 

 

オレ『あんまり聞く気ないなら教えませんよ?』

 

 

鈴木『いえ、是非知りたいです!』

 

 

オレ『なら教えますけどイルカって実はベジタリアンらしいですよ』

 

 

鈴木『はぁ・・・そうなんですか・・・』

 

 

オレ『ちなみにイルカに乗った少年といえば』

 

 

鈴木『城みちるですねっ!!』

 

 

オレ『好きなんですか?』

 

 

鈴木『いいえ、孫が好きなもので』

 

 

オレ『・・・お孫さんはいくつです?』

 

 

鈴木『6つになりますね!』

 

 

オレ『鈴木さん・・・やっぱいいです』

 

 

鈴木『え?何ですか?マリ●ァナ臭いですか?』

 

 

オレ『え?あ、だからハイだったんですか?』

 

 

鈴木『ええ!そうでぇーす!』

 

 

オレ『・・・とにかくイルカの秘密を教えたのでもう話し掛けないで下さい』

 

 

鈴木『次は花小金井ですよ!降りましょう!』

 

 

オレ『いえ、嫌です』

 

 

鈴木『なんでですのん、岡村さーん!』

 

 

オレ『岡村ではないですし、オレが降りる駅は航空公園だからです』

 

 

鈴木『ほんま?』

 

 

オレ『・・・』

 

 

鈴木『秘密知りたい?』

 

 

オレ『・・・』

 

 

鈴木『鈴木の秘密知りたい人ー!』

 

 

オレ『もう、聞いてあげるから騒がないで下さい!』

 

 

鈴木『最初に言おうと思ったんだけど鈴木じゃないから!勝手に一般的な名字にされてショックだよ!』

 

 

オレ『それはすみません、それなら本当の名字を教えて下さい』

 

 

鈴木『佐藤です』

 

 

オレ『・・・』

 

 

鈴木『(ブッ)』

 

 

オレ『・・・』

 

 

鈴木『・・・』

 

 

オレ『(バフッ)

 

 

鈴木『!!??』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落書きの教科書と

外ばかり見てる俺

超高層ビルの上の空

届かない夢を見てる

やりばのない気持の扉破りたい

 

校舎の裏

煙草をふかして見つかれば逃げ場もない

しゃがんでかたまり背を向けながら

心のひとつも解りあえない大人達をにらむ

そして仲間達は今夜家出の計画をたてる

 

とにかくもう

学校や家には帰りたくない

自分の存在が何なのかさえ解らず震えている

15の夜

 

 

盗んだバイクで走り出す

行き先も解らぬまま

暗い夜の帳りの中へ

誰にも縛られたくないと

逃げ込んだこの夜に

自由になれた気がした

15の夜

 

 

 

冷たい風

冷えた体

人恋しくて

夢見てるあの娘の家の横を

サヨナラつぶやき走り抜ける

闇の中ぽつんと光る自動販売

100円玉で買えるぬくもり

熱い缶コーヒー握りしめ

恋の結末も解らないけど

あの娘と俺は将来さえ

ずっと夢に見てる

 

大人達は心を捨てろ捨てろと言うが俺はいやなのさ

退屈な授業が俺達の全てだというならば

なんてちっぽけで

なんて意味のない

なんて無力な

15の夜

 

 

盗んだバイクで走り出す

行き先も解らぬまま

暗い夜の帳りの中へ

覚えたての煙草をふかし

星空を見つめながら

自由を求め続けた

 

15の夜

 

15の夜

15の夜

  • 尾崎 豊
  • ロック
  • ¥250